必要とされるスキルとは?
上流工程のSEとなるためには、システム開発に関する幅広い知識と経験が必要です。クライアントが作りたいと思っているシステムが実現可能かどうかを判断するためには、プログラミングのスキルやその周辺知識も不可欠です。しかし、上流工程のSEにとって必要なのはITに関する知識や経験だけではありません。システムによって企業の目的を達成するためには、会社経営やそれぞれの業界に関する知識も必要になってきます。
それぞれの業界特有の知識も必要
何を作りたいのかをクライアントからただ聞き取るのではなく、クライアントがそのシステムで何を達成したいかをしっかりと聞き取り、その目的をシステムでどのように達成するかを一緒に考えることまで求められるのが上流工程です。クライアントの企業がどの業界に属するかによって、基準となる考え方もそれぞれ異なります。業界によって異なるやり方に対応していくためには、対応する企業だけでなく業界に関する知識も必要になってくるでしょう。
ヒアリングスキルがすべてを決める
上流工程のSEにとって絶対的に必要なスキルといえばヒアリングのスキルです。システム開発を外注するクライアントは、システム開発についてよく知らないことが多いものです。そのため、やりたいことがシステム化できるのかどうかわかりませんし、場合によってはやりたいことすら明確化されていないかもしれません。そのようなときに必要なのがSEのヒアリング力です。まずは相手の要望がどのようなものなのかをヒアリングし、相手がイメージしているシステムを自分の中でイメージできるようにします。ヒアリング能力が高ければ、クライアントが作りたいシステムのイメージをわかりやすい表現に変えて伝えることも可能になります。上流工程のSEに必要なのはコミュニケーション力とよくいわれますが、この場合は話す能力の高さではなく聞く能力の高さにかかっているのです。
マネジメントスキル
システムの仕様をまとめて正確な詳細設計書を作成するには、クライアントと現場の両方の状況を意識しなければなりません。チームの人数やメンバーの能力に応じてスケジュールを組んだり新たにメンバーを配置したりと、上流工程のSEは高いマネジメントスキルがないとこなせない業務です。どれほど優秀なメンバーを揃っていたとしても、マネジメントを行うSEの采配が悪ければ絶対に良いシステムは作れません。そのため、エンジニアとしての知識や経験の量だけでなく、プロジェクトチームをひとつにまとめられるだけのリーダーシップやマネジメントスキルがどれほど高いかが重要になってきます。
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